―アスマとアンコが火影の執務室前で騒いでいた丁度その頃…
 火影の執務室を辞したナルトは火影邸の奥から続く里の隠し通路を駆けていた…

 ―…ようやく!やっとじいちゃん認めてくれた!!―
 ―…護衛だって言ってたけど…どんな任務かな?―
 ―あー!わくわくするな〜―

 …里内に張り巡らされた『ナルトの一族専用』の『特別』な『抜け道』を子供らしからぬ疾さで駆けながらナルトは考えていた…
 …微かにだが…嬉しそうな笑みさえもらして…


 
はじまり―3―


 「…オイ!アンコ!少し落ち着け…」
 …凄まじい勢いで火影の執務室に入っていったアンコを、嘆息を吐きながら肩を叩いて宥めながらも、オレもまた三代目に問い掛ける…
 「…三代目…『あの子』に任務を与えたのですか?」
 …三代目に呼び出されてから…ずっと気になっていた『コト』を…
 「…アスマ…」
 アンコが目を見張るのが解る…
 …オレは大体予想済みだったが…アンコにとっては予想外だったらしい…
 …一瞬だけアンコの驚いたような視線を感じた…けれど『それ』はすぐに異なるモノへと変じ三代目へと移される…
 「…うむ…」
 重々しく三代目が頷く…
 「…大体予想はしていましたよ…三代目が『あの子』のことを『セン』と呼んだ時から…」
 嘆息混じりのオレの言葉に…すぐ隣のアンコが小さく『あっ』と声を漏らした…

                                  ―続く―